5-FUのベストスケジューリングについて、bolusからinfusionalへの流れ

瀧内:次に問題となるのが、5-FUの投与法です。これは古くて新しい問題だと思うのですが、特にいろいろな併用療法を考える場合、重要な要素になってきます。例えばbolus 5-FUのIFLと、5-FU持続静注のFOLFIRIではMSTに大きな違いがあります。bolus投与から持続静注に、世界的にも流れが大きく傾いてきていると思うのですが、その点につきまして、大津先生、海外のdataも含めて簡単に述べていただきたいと思います。

大津:おっしゃるとおりで、最近の国際学会等の雰囲気では、bolus投与は許されないような状況に変わっています。特にtoxicityが最も問題とされていまして、やはりN9741試験でIFLの方に早期死亡が有意に高く出たため、bolus regimenに対して批判が強くなり、安全性の面から、持続静注という話になってきています。効果の面では、本当の意味で勝っているところまでは行っていないのですが、安全性を考えれば持続静注かと思います。

瀧内:先生の場合、現時点ではIFLを使われているということですが、それは利便性をとっているということですか?

大津:そうです。外来でやることを考えると、持続静注ポンプを入れる必要があり、これに関しては欧米のようにまだ一般化していない状況があります。荒井先生の施設のようにすぐできてしまうところではやりやすいと思いますが、なかなか条件が整いません。今のところまだIFLが主体ですが、今後のことを考えれば海外と合わせていかなければならないと思いますので、いずれやっていかなくてはならないと思います。

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