
相手の立場になって、今何を考えているのか想像する。相手に共感し、気持ちに寄り添いながら話す。言うのは簡単だが、実際は患者さんの「○○がつらい」という言葉に対し、「そうですね、○○はつらいですね」と返すのが精一杯という場合もあるだろう。
相手に共感するには、「がん患者」ではなく、「人間」としての個々人に意識を向けること――つまり、その人がどのような人で、これまでどのような生活をしてきたのか。どのようなことを大切に思っているのか――を知ることが重要である。
決して近道とも平坦な道ともいえないが、「医師と患者」ではなく、「人間と人間」として相手を理解しようと心がけることが、真の共感につながる重要なコンセプトの1つである。