コミュニケーション・スキルの巻 緩和ケア編
第8回 コミュニケーション・スキルの巻 2012年2月3日 シャングリ・ラ ホテル東京にて
其の六
「医師と患者」ではなく、「人間と人間」のコミュニケーションと考えるべし。
 相手の立場になって、今何を考えているのか想像する。相手に共感し、気持ちに寄り添いながら話す。言うのは簡単だが、実際は患者さんの「○○がつらい」という言葉に対し、「そうですね、○○はつらいですね」と返すのが精一杯という場合もあるだろう。
 相手に共感するには、「がん患者」ではなく、「人間」としての個々人に意識を向けること――つまり、その人がどのような人で、これまでどのような生活をしてきたのか。どのようなことを大切に思っているのか――を知ることが重要である。
 決して近道とも平坦な道ともいえないが、「医師と患者」ではなく、「人間と人間」として相手を理解しようと心がけることが、真の共感につながる重要なコンセプトの1つである。
其の壱 其の弐 其の参
其の四 其の五 其の六
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