Discussion現地座談会

切除不能大腸癌の1st-lineにおけるBevacizumabと抗EGFR抗体薬

#3585:FIRE-3試験とCALGB80405試験
FIRE-3試験とCALGB80405試験において、FOLFOXによる術後補助化学療法の影響を検討するための統合解析

室:次のセッションでは、切除不能大腸癌の1st-lineにおいてBevと抗EGFR抗体薬を検討した3つの演題を取り上げます。まず、BevとCmabを比較したFIRE-3試験CALGB80405試験の統合解析を谷口先生からレポートしていただきます。

谷口:FIRE-3試験CALGB80405試験の結果が異なった理由の1つとして、FOLFOXによる術後補助化学療法を行った症例の影響が指摘されていたため、この2試験の統合解析が行われました。
 その結果、FOLFOXによる術後補助化学療法を行った症例 (FIRE-3試験 58例、CALGB80405試験 67例) における奏効率はBev群42.0%、Cmab群58.0%でした。また、OS中央値はCmab群28.5ヵ月、Bev群41.0ヵ月であり (HR=1.4) 、Kaplan-Meier曲線はOS、PFSのいずれもBev群が上で推移していました。
 FIRE-3試験において、術後FOLFOX療法を行った症例における結果が主解析とは異なっていたことから、術後FOLFOX療法後の再発集団はそれ以外の集団とバイオロジーが異なることが示唆されたと結論されています。

佐藤 (温):この結果をもって、CALGB80405試験の方が両群の差が小さかった理由になるのでしょうか。

谷口: 発表前は、CALGB80405試験のFOLFIRI併用の症例において、Bev群の方がCmab群よりも良好であった理由説明の1つになるのかと思っていたのですが、特に結論としても記載されていませんでした。

吉野:この結果からは何も得られませんね。

室:少数例のこのようなサブグループ解析では何も得られないという理解でよろしいでしょうか。もともと、1st-lineを行う患者でFOLFOXによる術後補助化学療法後に再発したケースは少ないですからね。

Lessons from #3585

  • 術後FOLFOX療法を行った症例に限るとFIRE-3試験の主解析とは異なり、FOLFIRI/Bev群のOS曲線がFOLFIRI/Cmab群の上で推移した。
  • しかし、少数例のサブグループ解析のため結論づけられるものではない。

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