WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE 14 直腸癌 2006年7月開催

CASE14 写真

私が考える治療方針

瀧内先生

激しい下痢の後、急激な血液毒性が出現する危険性を周知徹底する

FOLFIRIでは、激しい下痢の後に急激な骨髄抑制が現れるのが典型的なパターンです。この状態が一歩間違えば死に至る危険な状態であることを関係者に周知徹底し、注意を払うよう指導することが、最も重要な副作用対策となります。また、患者さんの家族に十分な説明を行うことも忘れてはなりません。下痢に対しては絶食、十分な輸液と感染予防を行い、血液毒性に対してはできるだけ早期にG-CSF投与を始めることが重要です。回復後は、LV/5-FUで治療します。

瀧内先生  写真

大村先生

十分な細胞外液補充液の投与により、循環動態の安定と腎保護に注力する

重篤な下痢や嘔吐では、細胞外液補充液を投与しないとナトリウムが不足してしまいます。また、循環不全から多臓器不全(MOF)に陥ることも考えられますので、十分な細胞外液補充液の投与により循環血漿量と腎血流量を確保します。回復後はCPT-11を含むレジメは除外し、FOLFOXを選択します。

大村先生 写真

坂本先生

副作用からの回復後も薬物動態を測定しながらCPT-11を継続

この症例は、恐らくUGT1A1遺伝子多型が関与しているものと思われます。副作用対策としては、電解質輸液やG-CSFはもちろん、γ-グロブリン製剤、血小板輸血、新鮮凍結血漿(FFP)、抗真菌薬など、考える限りの治療を試みます。CPT-11がこれだけ奏効するのですから、回復後も薬物動態学的に代謝産物であるSN-38の濃度を測定しながら、それに応じた治療戦略を立て、安全性に十分注意しながらCPT-11による治療を継続したいと考えます。

坂本先生 写真

久保田先生

CPT-11の毒性とUGT1A1遺伝子多型との関連について、エビデンスが必要

UGT1A1遺伝子多型例と考えられます。こうした症例でCPT-11が奏効した例が他にもあるようですが、どこまで減量すれば安全であるかはわかりませんから、回復後はCPT-11は使わず、LV/5-FUかFOLFOXを行うと思います。CPT-11の毒性とUGT1A1遺伝子多型との関連については、今後、毒性発現後のCPT-11の減量投与も含めたエビデンスが報告されることを期待します。

久保田先生 写真

佐藤先生

あらかじめ次に何が起こるかを知っていることが大切、そして次の対処が遅れないように注意

下痢が発現した時点で、重症化する危険性を予測して注意を払うことが必要です。一般状態が良好であることに安心して、次の対処への準備が遅れてしまうことが問題となります。本症例の場合、重度の粘膜炎の次に起こる急激な骨髄機能抑制に備えて頻回チェック、早期の治療開始準備と万全の体制をとるべきです。あらかじめ次に何が起こるかを知っていることが大切です。回復後は、5-FUを投与して観察した後、慎重にCPT-11を再開したいと考えます。

佐藤先生 写真
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