外来化学療法では、患者自身やその家族が普段の生活のなかで、副作用やポートトラブルなどに気づき、適切な対応をとる必要がある。そのためには、どのような副作用がいつごろから起こる可能性があるのか、ポートトラブルにはどのようなものがあるのか、それらが起こったときにはどのように対応すべきかを、患者や家族がしっかり把握しておかねばならない。

外来化学療法の開始時には、副作用やポートの取り扱いは一通り説明するが、患者にとって治療開始時の情報量は膨大であり、そのすべてを覚えていられるわけではない。例えば、特定の副作用が起こりやすい時期になったら、事前に「何が・いつごろ・どのように起こるのか」「どのような変化に気をつけるべきか」実際に起こったらどのように対応すべきか」を具体的に説明し、注意喚起を促すことが大切である。患者や家族向けに、注意すべき時期、チェックポイント、トラブルの内容などをまとめたチェックリストを作成するのも有用である。
また、患者説明に必要な資材は、一から作成するのが難しい場合も多いだろう。その場合は、他院の例や製薬会社提供資材の情報を参考にするなど、オリジナル資料と組み合わせて活用するのも一つの方法である。当編集会議でも、レジメン毎の患者教育用資材の不足が指摘されていた。オリジナル資材作成の際は、ぜひ参考にされたい。