ベバシズマブでは消化管穿孔・高血圧・蛋白尿・出血、セツキシマブでは皮疹・infusion reactionなど、分子標的治療薬では従来の化学療法ではみられなかった副作用が起こりうることから、副作用対策や予測因子の探索が重要な課題となっていることは周知の事実である。

分子標的治療薬は、国内はもちろん、世界的にもまだまだ使用経験が十分とはいえないため、現在は知られていないような思わぬ副作用が問題となる可能性もある。また、抗EGFR抗体におけるK-RAS mutationのように、患者選択を決定するマーカーの発見なども期待される。
特に、これからの数年間は、日本人における使用経験が数多く発表されることが予想されるため、国内外の報告に注目して、最新の知見を臨床に活かしていくべきであろう。