消化器癌治療の広場
BAD NEWSのGOODな伝え方
Quiz1 Case:胃がん
当Quizは継続したストーリーで成り立っています.
このため,登場人物の家族背景は 第1回テーマ【病名告知】または下記をご参照ください.
―再発・転移告知―
 術後,TS-1による補助化学療法を1年間行なった.
 化学療法終了から6ヵ月後の外来受診で,Kさんは,腹部膨満感を訴えた.
 Kさんには検査時に再発の可能性があることを伝えた.
【確定診断のための検査】
 胸腹部・骨盤CT,血液検査,腹水細胞診
【診断】
 癌性腹水
【推奨する治療】
 化学療法(TS-1+シスプラチン,タキソール)
Question
面談室に入ってきたKさんに挨拶をし,体調に変化がないか聞いた後,腹膜転移再発を伝える場合,次のA〜Cの中でもっとも適当だと思うものをクリックして下さい.
A

何度も外来に通院してもらっているので,今回もKさんは検査の意義を十分理解していると考え,単刀直入に「検査前に少しお話したかもしれませんが,腹膜に再発していました」と言ってから,「今度は手術ではなく,化学療法で治療しましょう」と伝えた.

B

今一度,今回の検査の意義を説明したころ,Kさんは再発が疑われていることを十分に理解されているようであったので,「今日は残念なお話をしなければなりません」と前置きをした上で,検査結果を見せながら,「腹水からがん細胞が検出されました.胃がんの細胞が腹膜に転移し,腹水が溜まってきているようです」と伝えた.

C

外来の忙しい時間帯で時間も限られていたため,検査結果を見ながら,「うぅん・・・やはり腹膜転移か・・・」,「Kさん,やはり再発しています.手術でとりきれたと思ってたんだけどなぁ〜」と伝えた.

【病名告知時・患者シチュエーション】
 58歳男性のKさんは,会社員で営業職,喫煙習慣あり.妻,娘(結婚して独立),大 学生の息子(同居)の家族構成で,現在3人暮らし.既往歴,家族歴に特記する事は ない.