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-支持的な場の設定-
【再発・転移告知】を受けた患者はひどく動揺し,取り乱してしまう方もいると思われます.普段よりも,ゆとりを持って対応できるよう,面談の日時を設定するようにします.また,いつでも患者が質問できるような雰囲気で面談が行えるよう心がけます. |
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-悪い知らせの伝え方-
【再発・転移告知】は医師にとっても言い出しにくい事だと思いますが,患者の反応を気にしすぎるあまり,患者に再発あるいは転移している事が伝わらないのでは困ります.【再発・転移告知】は患者にきわめて大きなダメージを与えるかもしれませんが,医師は転移,再発の事実を明確に,正直に伝える必要があります.
早口で説明したり,医学用語を多用することは避け,患者の理解を確認しながらわかりやすく伝えるよう工夫するのは【病名告知】の際と同様です.
さらに,(これは大変難しいことかもしれませんが)再発を伝える際に,患者に伝えるべきことは「再発」の意味するところです.癌腫や治療経過によって「再発」の意味するところは若干異なるかもしれませんが,再発の意味を明確に伝え,今後提案する治療がどのような意味を持つのかをはっきりさせておくことが重要です. |
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-付加的状況-
治療方法など医学的な情報を提供するだけでなく,社会的サポートの情報も提供するよう心がけます.このためには,患者がどのようなニードを持っているかを把握する必要がありますので,医師側からの一方的な説明にならないよう,オープンクエスチョンで患者の意思・意向を確認するなど,相互のコミュニケーションを図ることが大切です.
標準治療以外の治療(未承認薬,治験中の治療)や民間療法や代替療法など,患者が希望する情報に関してもわかる限り情報提供するようにします. |
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-安心感と情緒的サポート-
【再発・転移告知】をされた患者は大きなショックを受けますので,より一層の情緒的サポートが求められます.
面談時の患者のしぐさや様子に注意し,患者の感情に配慮するようにします.
患者が希望を持てるような情報も伝え,今後も主治医として責任を持って治療を行うことを約束するとともに患者の気持ちを支える言葉をかけると良いでしょう.
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