OSのupdate、RAS の解析により有意差を認める
続いては、KRAS 野生型の切除不能大腸癌の1st-line治療におけるmFOLFOX6 + BevとmFOLFOX6 + Panitumumabを比較した無作為化比較第II相試験、PEAK試験です。今回の米国臨床腫瘍学会では、PEAK試験のOS updateおよびKRAS /NRAS、BRAF の追加解析が報告されました。ITT解析 (KRAS exon 2野生型) におけるOS中央値は、Bev群24.3ヵ月、Panitumumab群34.2ヵ月であり、Panitumumab群で有意な延長を認めました (HR=0.62, p=0.009)。一方、RAS 野生型におけるPFS中央値は、Bev群は10.1ヵ月と初回解析と変わりませんでしたが、Panitumumab群は13.0ヵ月と延長したことで、有意差が認められました (HR=0.66, p=0.03) (図3)。また、RAS 野生型におけるOS中央値はBev群28.9ヵ月に対してPanitumumab群41.3ヵ月と長期のOSを認めたものの、イベント数が少なく有意差は認められませんでした (HR=0.63, p=0.058)。なお、KRAS exon 2以外のRAS 変異はKRAS exon2野生型の中で17%に認められ、KRAS exon 2野生型でその他のRAS 変異型においては、PFS中央値がBev群8.9ヵ月、Panitumumab群7.8ヵ月とPRIME試験同様の傾向がみられました (HR=1.39, p=0.32)。
したがって、PRIME試験とPEAK試験の結果より、1st-lineにおけるPanitumumabの有効性が示され、より多くのbenefitを供与するためにRAS 検査による患者選択が重要であると言えます。