Adjuvant FOLFIRI ± Cetuximab in Patients with Resected Stage III Colon Cancer - NCCTG Intergroup phase III trial N0147.
Jocelin Huang, et al.
|
||||||
Irinotecan (CPT-11) は転移を有する切除不能大腸癌に対し、単剤および5-FU/LVとの併用により抗腫瘍効果が示されている。しかしながら、治癒切除後のstage III結腸癌患者に対しては、5-FU/LVと比して、生存における統計学的な有意差は証明されていない。 |
||||||
本試験は、治癒切除後のstage III結腸癌を対象とし、FOLFIRI ± Cetuximab、FOLFOX ± Cetuximab、FOLFOX→FOLFIRI ± Cetuximabの6群に無作為に割り付けた。今回はFOLFIRI ± Cetuximabの2群についての検討である。両群の治療スケジュールを下記に示す。
一次エンドポイントはdisease-free survival (DFS: 無病生存期間)、二次エンドポイントはoverall survival (OS: 全生存期間) および毒性とした。 |
||||||
KRAS 検査は99.2%の症例で実施され、KRAS 野生型はFOLFIRI群65%、FOLFIRI + Cetuximab群65%、KRAS 変異型は各々31%、33%、不明は4%、2%であった。 また、2010年 米国臨床腫瘍学会年次集会にて報告した本試験のFOLFOX ± Cetuximab群 (KRAS 野生型) の成績4)をみると、3年DFSはFOLFOX群よりもFOLFIRI群のほうが低値であったが (FOLFOX群: 75.8%, FOLFIRI群: 69.8%)、Cetuximab併用群をみると、DFS、OSともにFOLFIRI + Cetuximab群のほうが高値であった。 |
||||||
治癒切除後のstage III結腸癌患者に対する術後補助化学療法としてのFOLFIRIの3年DFSは、FOLFOXと比較して低値であったが、FOLFIRIとCetuximabとの併用はFOLFIRI単独に比べ、KRAS statusに関係なく、生存を改善する傾向にあった。また、FOLFOXとFOLFIRIでは、Cetuximab併用による相乗効果に相違がある可能性がある。 |
Reference
1) Van Cutsem E, et al.: J Clin Oncol. 27(19): 3117-3125, 2009 [PubMed][論文紹介]
2) Ychou M, et al.: Ann Oncol. 20(4): 674-680, 2009 [PubMed]
3) Saltz LB, et al.: J Clin Oncol. 25(23): 3456-3461, 2007 [PubMed][論文紹介]
4) Alberts SR, et al.: 2010 Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology®: abst #CRA3507 [学会レポート]
5) André T, et al.: N Engl J Med. 21(15): 2896-2903, 2003 [PubMed][論文紹介]
6) de Gramont A, et al.: 2011 Gastrointestinal Cancers Symposium: abst #362 [学会レポート]
【関連リンク】
2010年 米国臨床腫瘍学会年次集会 速報レポート
#CRA3507, 3508 「Stage III結腸癌に対する術後補助化学療法としてのmFOLFOX6 ± cetuximab療法による治療効果の検討: NCCTG intergroup 第III相試験N0147」
米国臨床腫瘍学会年次集会 現地座談会
#CRA3507, 3508 N0147試験 ―術後補助化学療法としてのcetuximabの有用性
GI-pedia 第2回「大腸癌化学療法の変遷(結腸癌の術後補助化学療法)」
3. Irinotecan, Oxaliplatinとの併用療法
4. 分子標的治療薬との併用療法
2010年 消化器癌シンポジウムレポート
#402 「Oxaliplatin+フッ化ピリミジン系薬剤 ± cetuximab療法:
進行再発大腸癌における静注5-FUおよびcapecitabineの有効性 (MRC COIN試験の結果より)」