WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE 12 大腸癌(進行・再発例) 2006年3月開催

CASE13 写真

ディスカッション 2

副作用対策と減量の問題

瀧内:副作用対策として、皮疹に対しては経口抗ヒスタミン薬を投与するというご意見がありましたが、浮腫に対する利尿薬の投与についてはどうお考えですか。

大村:幸いimatinibによる浮腫の経験はありません。

久保田: 浮腫はよく経験しますが、ループ利尿薬であるfurosemideは効果がありません。

佐藤:私も、こういう浮腫はあまり経験がありません。文献上では、利尿薬を使うとの報告が多いようです。浮腫が眼瞼のみであれば、外用ステロイド剤や食塩制限で対処できるとの報告があります。

久保田:下腿の浮腫には弾性ストッキングが有効との報告もあります。

佐藤:貧血との関連で留意すべき点は、この症例には心筋梗塞の既往があることです。心のう液の貯留が予測され、より重篤な体腔液貯留を起こす可能性もあります。さらなる貧血関連の病態の発症が懸念されますし、心臓に負担を与えないためにもHb 10.0g/dLを目安に貧血の治療を行うべきでしょう。現時点での治療法は輸血しかありません。

瀧内:もう1つ、減量の問題についてはいかがでしょう。佐藤先生は本症例で、中断・再開後も副作用があれば減量も考慮するとのことでした。Imatinib 300mg/日で有効例が報告されています。しかし、300mg/日未満まで減量すると有効例はないとの意見もあります。

大村:本症例でみられる程度の副作用ならば、減量の必要はないと考えます。Imatinibの副作用は徐々に軽減していく傾向があるようですし。

瀧内:例えば、300mg/日に減量して再び同じような副作用が発現した場合にどう対処するかという問題があります。実は、200mg/日は無効とのデータがある一方で、症例報告などで200mg/日による有効例が報告されています。また、日本版GISTガイドライン(Kubota T. Int J Clin Oncol 2006; 11: 184-9)が策定されましたので、このような症例カンファレンスの中でも明記すべき問題と考えます。「Imatinib 300mg/日未満は有効ではない」ということでよろしいでしょうか。

大村:それでよいと思いますが、imatinibの用量設定は “/m2(per square meter)” ではなく “日” です。したがって、患者の体格によって有効用量が異なるため、確かに200mg/日、300mg/日でも十分に有効な例も出てくる可能性はあります。

瀧内:先生方のご意見を基に、ここでは、「GISTに対するimatinibの用量は、基本的に400mg/日で継続投与するが、副作用が強いようであれば300mg/日を下限として減量を試みる」をコンセンサスとしたいと思います。

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