設楽:Douillard先生は抗EGFR抗体薬のre-challengeについてどのようにお考えですか。臨床での実感として、Cetuximabの再投与を検討した既報9)ほど有効ではないと感じています。
Douillard:我々が独自にre-challenge を検討したところ、奏効率は11%でした。ただ、再投与により病状が安定した症例もみられます。
吉野:抗EGFR抗体薬を1st-lineで投与した後、どのくらいの期間経てばre-challengeが可能でしょうか。
Douillard:実臨床においては増悪を認めない限りre-challengeしません。
設楽:欧州では3rd-lineでRegorafenibも治療選択肢に入ると思いますが、Douillard先生は抗EGFR抗体薬とRegorafenibのどちらを選択されますか。
Douillard:RegorafenibはVEGF阻害作用があります。抗EGFR抗体薬のEGFR阻害とVEGF阻害を交互に作用させるとよいと思います。
設楽:Douillard先生は1st-lineで抗EGFR抗体薬を使用されるとのお話でしたが、2nd-lineでBevを用いた後に、抗EGFR抗体薬を使用するということでしょうか。

Douillard:Bev併用療法により増悪した場合、私は抗EGFR抗体薬を再投与し、その後、再びVEGF阻害剤を導入します。
吉野:Douillard先生のサンドイッチ型の戦略は再導入を考える際のキーポイントになりますね。本日は、今年の米国臨床腫瘍学会で発表された最新のエビデンスから、切除不能大腸癌の1st-lineに対する欧州の治療戦略とともに、日本の先生方の治療戦略について、非常に有意義な議論ができたと思います。ありがとうございました。