GI cancer-net 海外学会速報レポート 2013年6月 シカゴ 特別企画座談会 切除不能大腸癌1st-line治療は変わるか?

Short Lecture-3 1st-lineにおける抗EGFR抗体薬の有効性とre-challenge / 辻 晃仁 先生

DISCUSSION

設楽:Douillard先生は抗EGFR抗体薬のre-challengeについてどのようにお考えですか。臨床での実感として、Cetuximabの再投与を検討した既報9)ほど有効ではないと感じています。

Douillard:我々が独自にre-challenge を検討したところ、奏効率は11%でした。ただ、再投与により病状が安定した症例もみられます。

吉野:抗EGFR抗体薬を1st-lineで投与した後、どのくらいの期間経てばre-challengeが可能でしょうか。

Douillard:実臨床においては増悪を認めない限りre-challengeしません。

設楽:欧州では3rd-lineでRegorafenibも治療選択肢に入ると思いますが、Douillard先生は抗EGFR抗体薬とRegorafenibのどちらを選択されますか。

Douillard:RegorafenibはVEGF阻害作用があります。抗EGFR抗体薬のEGFR阻害とVEGF阻害を交互に作用させるとよいと思います。

設楽:Douillard先生は1st-lineで抗EGFR抗体薬を使用されるとのお話でしたが、2nd-lineでBevを用いた後に、抗EGFR抗体薬を使用するということでしょうか。

集合写真

Douillard:Bev併用療法により増悪した場合、私は抗EGFR抗体薬を再投与し、その後、再びVEGF阻害剤を導入します。

吉野:Douillard先生のサンドイッチ型の戦略は再導入を考える際のキーポイントになりますね。本日は、今年の米国臨床腫瘍学会で発表された最新のエビデンスから、切除不能大腸癌の1st-lineに対する欧州の治療戦略とともに、日本の先生方の治療戦略について、非常に有意義な議論ができたと思います。ありがとうございました。

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