消化器癌治療の広場
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Quiz1 Case:胃がん
―病名告知 面接開始から告知まで― 導入編
【患者シチュエーション】
 58歳男性のKさんは,会社員で営業職,喫煙習慣あり.妻,娘(結婚して独立),大学生の息子(同居)の家族構成で,現在3人暮らし.既往歴,家族歴に特記することはない.
 数ヶ月前から胸焼けや嘔気を認めていたが放置していた.最近になり心窩部痛を自覚するようになり,当院を初診した.
 初診時に行った内視鏡検査で胃体部にボールマン3型胃がんを認め,生検が施行された. Kさんには内視鏡検査で胃がんが疑われることは伝えた.
【確定診断,病期診断のための検査】
 内視鏡検査,内視鏡下生検,胸腹部・骨盤CT,血液検査
【診断】
 胃がん (cT3, cN1, cH0, cM0, cStage IIIA)
【推奨する治療】
  手術(胃全摘術)
Question
検査の1週間後,外来に検査結果を聞きに来たKさんとその家族(妻)に対して胃がんの【病名告知】を行う場合,告知までの導入の部分で,次のA〜Cの中でもっとも適当だと思うものをクリックして下さい.
A

限られた外来の時間の最中であり,また患者も検査結果を早く聞きたいであろうと考え,Kさんと家族(妻)が生検結果の診察室に入り,着席するとすぐ,報告書を見ながら,「検査結果でしたよね…」と切り出した.

B

がん告知の場面であるため,あらかじめ看護師および研修医を同席させた.Kさんと初対面となる家族(妻)に自己紹介をした後,Kさんにのみしっかりと目線を向け,告知の準備をした.

C

Kさんと家族(妻)に挨拶,自己紹介をした後,Kさんの症状に焦点をあてて,今までの経過を振り返った.Kさんは胃がんが疑われていることをよく認識しているようであったが,家族(妻)にも目線を向けつつ,再度,この場で検査結果を伝えても良いかを確認した.