限られた外来の時間の最中であり,また患者も検査結果を早く聞きたいであろうと考え,Kさんと家族(妻)が生検結果の診察室に入り,着席するとすぐ,報告書を見ながら,「検査結果でしたよね…」と切り出した.
がん告知の場面であるため,あらかじめ看護師および研修医を同席させた.Kさんと初対面となる家族(妻)に自己紹介をした後,Kさんにのみしっかりと目線を向け,告知の準備をした.
Kさんと家族(妻)に挨拶,自己紹介をした後,Kさんの症状に焦点をあてて,今までの経過を振り返った.Kさんは胃がんが疑われていることをよく認識しているようであったが,家族(妻)にも目線を向けつつ,再度,この場で検査結果を伝えても良いかを確認した.