演題速報レポート American Society of Clinical Oncology 48th Annual Meeting 2012 June 1st-5th at CHICAGO,ILLINOIS

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現地座談会

大腸癌に関する注目演題

切除不能大腸癌既治療例に対する新規薬剤の検討

#LBA3501:X-PECT試験

治療抵抗性大腸癌に対するCapecitabine+Perifosine療法の第III相試験

室:新薬の演題を続けて3報みていきたいと思います。最初は残念ながらネガティブな結果となったPerifosineのX-PECT試験です。中島先生、概要をお願いします。

中島:Perifosineは AKT、NFκBなどに作用する合成アルキルリン脂質の経口薬です。5-FU抵抗性かつCapecitabine未使用のKRAS 野生型患者を対象に、2nd-lineまたは3rd-line治療としてCapecitabine単剤とCapecitabine+Perifosine療法 を比較しましたが、主要評価項目のOSに有意差は示されませんでした[図9]。また、PFS、奏効率、KRAS status別の解析でも有意差は認められませんでした。毒性は両群でほぼ同等でした。

佐藤 (温):無作為化第II相試験で有望な成績が得られていたのですが30)、第III相試験では完全なネガティブ試験になりました。PerifosineはFDAの優先審査の対象になっていましたね。

吉野:多発性骨髄腫で非常によく効いているので、今後はそちらの開発が主体になると思います。

室:無作為化第II相試験を行ったとはいえ、そのときは固形癌が全体の対象で、そのうち大腸癌は38例と少数でした30)。本試験はその大腸癌のサブグループのデータを根拠として行われたものでしたが、こういった事例を第III相試験にするのは難しいということを改めて感じました。

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