CALGB80405試験において、化学療法後に手術を受けた症例は1,137例中180例 (15.8%) であり、Bev群75例に対しCmab群105例とCmab群で多かった
(表)。
表
手術を受けた180例中132例は術直後に無病生存状態 (no evidence of disease: NED) であり、OS中央値は64.7ヵ月 (95% CI: 59.8-78.9) であった。なお、NED例はBev群50例、Cmab群82例であり、OS中央値はBev群が67.4ヵ月、Cmab群64.1ヵ月と、有意差は認めなかった (HR=1.2, 95% CI: 0.6-2.2, p=0.56)
(図1)。
図1
奏効率は、全体ではBev群57%、Cmab群66%であり、化学療法別の解析では、mFOLFOX6ではBev群56%、Cmab群67%、FOLFIRIではBev群61%、Cmab群62%であった。NED例のうち奏効状態が評価できたのは111例で、Bev群82% (37/45例)、Cmab群68% (50/66例) であった。
NED例における術後のDFS (disease free survival) 中央値は15.9ヵ月 (95% CI: 10.4-21.2) で、Bev群16.9ヵ月、Cmab群15.3ヵ月と両群に差はみられなかった (HR=1.0, 95% CI: 0.6-1.5, p=0.94)
(図2)。また、NED例における無作為化から術後再発までの期間中央値は25.7ヵ月 (95% CI: 20.5-33.5) であり、Bev群24.8ヵ月、Cmab群25.9ヵ月であった (HR=1.0, 95% CI: 0.6-1.5, p=0.84)
(図3)。
図2
図3
NED例に対して
RAS 解析を行った結果、132例中76例で
RAS 評価され、OS中央値は
RAS 野生型 (65例) 78.8ヵ月、何らかの変異を有する
RAS 変異型 (11例) 47.9ヵ月であったが、症例数が少なく有意差は認めなかった (HR=0.52, 95% CI: 0.2-1.4, p=0.2)。同様に、手術後のDFS中央値はそれぞれ16.1ヵ月、9.5ヵ月で、両群に有意差は認めなかった (HR=0.84, 95% CI: 0.3-1.8, p=0.6)。
CALGB80405試験のサブセット解析では、化学療法後に手術を受け、NEDに達した症例のOS中央値は5年を超えた。Bevacizumab併用療法に比べ、Cetuximab併用療法を行った患者のほうがNEDに達しやすかったが、予後に差はなかった。RAS 解析の範囲を広げることで、予後の差を識別できる可能性がある。