Abstract #LBA4005

A phase III trial comparing FULV to FULV + oxaliplatin in stage II or III carcinoma of the colon: Survival results of NSABP Protocol C-07.


N. Wolmark,et al.


背景

NSABP C-07試験については、FULV + L-OHP (FLOX)が、FULVと比較して有意に3年DFSを延長したと報告された(学会レポートKuebler JP, et al., J Clin Oncol.2007; 25)。今回は、本試験の二次エンドポイントである5年OSを報告する。

対象と方法

2000年2月〜2002年11月の間に、2,409例の対象患者(stageII 結腸癌 28.9%、stageIII結腸癌)を無作為にFULV群とFLOX群に割り付けた。
FULV群(1,209名):5-FU 500mg/m2 iv bolus + LV 500mg/m2 ivを週1回、6週間投与、2週間休薬、計3サイクル施行
FLOX群(1,200名):上記FULVレジメンの第1、3、5週目にL-OHP 85mg/m2 ivを追加、6週間投与、2週間休薬、計3サイクル施行
一次エンドポイントはDFS、二次エンドポイントは、登録終了後5年のOSとした。ハザード比は転移陽性リンパ節数(0、1-3、4+)により層別化した後、Coxモデルを用いて評価した。p値は転移陽性リンパ節により層別化し、log-rank testを用いて評価した。

結果

生存症例の追跡期間の中央値は67ヵ月であり、全症例の75%は少なくとも5年以上追跡可能であった。5年後のOSはFULV群 78.3%、FLOX群 80.3%、6年OSはFULV群 73.5%、FLOX群 77.7%(HR 0.85、95%CI 0.72 -1.01、p=0.06)であり、両群間に有意差を認めなかった。なお、5年DFSはFULV群 64.2%、FLOX群 69.4%(ハザード比0.81、95%CI 0.70-0.93、p=0.002)であり、FLOX群で有意に良好であった。


Progression-free survival
結論

stageII, III結腸癌の術後補助化学療法としてのFLOXについては、FULVと比較して5年DFSに関しては有意に良好であった。一方、OSにおいてはわずかにFLOXの優越性は証明されなかった。

コメント

NSABP C-07試験については、2005年米国臨床腫瘍学会年次集会でFULVと比較してFLOXで有意に3年DFSが延長すると報告された(学会レポートKuebler JP, et al., J Clin Oncol.2007; 25)。今回、5年OSについては両レジメン間に有意差を認めなかったものの、p値は0.06であった。なお、5年DFSを両レジメンで比較すると、FLOXで5.2ポイント良好であり、3年DFS(71.5% vs 76.1%)より、両レジメン間の差は広がっている。今後、観察期間とさらに延長すれば、OSについても両レジメン間に有意差を生じる可能性が高いと思われる。

(レポーター:野澤 寛 監修:大村 健二)