WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE1 胃癌 2004年7月開催

症例プロファイル

患者 69歳、男性
主訴 腹部膨満、全身倦怠感
既往歴 右側自然気胸(40歳) 高血圧(55歳)
家族歴 悪性腫瘍なし
嗜好品 飲酒(ビール1〜2本/日、30年間) 喫煙(5〜6本/日、30年間)
患者の希望 可能な限り積極的な治療を望んでいる。

現病歴

平成15年中旬頃より、食後の嘔気、食欲不振、体重減少(6kg/2ヶ月)が出現。近医にて上部内視鏡を施行、C Type 2胃癌(病理;中分化腺癌)と診断され、前医に紹介入院。

  • 同年6月に胃全摘術、D2郭清(T2(SS)、N2,HO,PO,CYO,MO,StageVA)施行。
  • 同年7月より術後補助化学療法として、TS-1 100mg/dayの内服を開始。
  • 同年11月に血液性化学検査で肝機能異常認められ、腹部CT検査で多発肝転移を確認。
  • 本人に「余命3ヶ月」と告知の上、化学療法を施行。同年12月、平成16年1月、2月の計3回 Cisplatin 100mg投与されるも、肝転移巣は肝両葉に多数しめる程に悪化したため、後治療目的で当院に紹介入院。

身体的所見

  • 身長170cm、体重50kg
  • 体温36.5℃、血圧130/70mmHg、脈拍73/min
  • 眼瞼結膜軽度貧血あり、眼球結膜黄疸なし。
  • 心肺ともに雑音はない。
  • 腹部は右季肋下に12cmほど肝臓が触知する。
  • 腹水の所見は認めず。
  • 心窩部に圧痛軽度あり。
  • 四肢に浮腫は認めず。
  • 室内歩行は可能だが、外出は車椅子を使用する。

検査所見1

血液学的検査
WBC 6030/µl Neutro 86/%
RBC 267×104/µl Lympho 11/%
Hb 8.8 /dl Mono 3/%
Ht 26.8/% Eosino 0/%
Plt 16.3×104/µl Baso 0/%
生化学的検査
TP 5.8g/dl T-bil 1.0mg/dl
Alb 3.2g/dl D-bil 0.5mg/dl
TG ---mg/dl AST 227U/l
TC 85mg/dl ALT 77U/l
Na 140mEq/l ALP 2226U/l
K 3.7mEq/l LDH 266U/l
Cl 100.4mEq/l γ-GTP 1025U/l
Ca 8.3mg/dl ChE 174U/l
UA 3.6mg/dl Amy 101U/l
BUN 16.3mg/dl CPK 153U/l
Cr 0.7mg/dl CRP <0.5mg/ml
BS 94mg/dl    

検査所見2

腫瘍マーカー検査
α-FP 12000ng/ml    
CEA 88.2ng/ml    
CA19-9 147.0U/ml    
尿一般検査
尿蛋白 (−) 尿ウロビリノーゲン (1+)
尿糖 (−) 尿ピルビン (−)
尿潜血 (1+) 尿白血球 (−)

出題:佐藤先生

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