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切除不能進行・再発大腸癌に対するmFOLFOX6 + Cetuximabの第II相試験 (JACCRO CC-05)
A Phase II Study of Cetuximab (cet) and mFOLFOX6 in Metastatic Colorectal Cancer (mCRC) (JACCRO CC-05)
Tatsuro Yamaguch, et al.

日本人におけるmFOLFOX6 + Cetuximab療法におけるETSの効果が確認された。

OPUS試験において、KRAS 野生型の切除不能進行・再発大腸癌に対するFOLFOX4にCetuximabを上乗せすることで、PFS、奏効率が改善されることが示されている1)。また最近では、Cetuximab併用療法による早期腫瘍縮小 (8週時点における20%以上の腫瘍縮小、ETS: early tumor shrinkage) と、PFS、OSとの関連性が後ろ向き解析から示されている2)。
JACCRO CC-05試験は、KRAS 野生型切除不能進行・再発大腸癌の日本人患者に対するmFOLFOX6 + Cetuximabの有効性および安全性を検討した第II相試験である3)。今回は、ETSと予後の関係についてupdate解析結果が報告された。
JACCRO CC-05試験は、KRAS 野生型切除不能進行・再発大腸癌の日本人患者に対するmFOLFOX6 + Cetuximabの有効性および安全性を検討した第II相試験である3)。今回は、ETSと予後の関係についてupdate解析結果が報告された。
対象は、20〜79歳、ECOG PS 0/1でEGFR陽性のKRAS 野生型 (exon 2 [codon 12, 13] ) 切除不能進行・再発大腸癌の未治療例であり、mFOLFOX6 (biweekly) + Cetuximab (初回400mg/m2、以降は250mg/m2 weekly) 療法をPDまたは不耐性となるまで実施した。
主要評価項目は奏効率であり、副次評価項目はOS、PFS、ベースラインからの腫瘍サイズの変化率、安全性とした。また、奏効率の期待値57%、閾値34%とし、有意水準α=0.05、β=0.10で、必要症例数は51例であり、試験離脱も考慮して目標登録数は54例とした。
なお、8週時点における標的病変の長径和を計測し、ベースライン時から20%以上の縮小を認めた場合に「ETSあり」と判定した。
主要評価項目は奏効率であり、副次評価項目はOS、PFS、ベースラインからの腫瘍サイズの変化率、安全性とした。また、奏効率の期待値57%、閾値34%とし、有意水準α=0.05、β=0.10で、必要症例数は51例であり、試験離脱も考慮して目標登録数は54例とした。
なお、8週時点における標的病変の長径和を計測し、ベースライン時から20%以上の縮小を認めた場合に「ETSあり」と判定した。
2010年8月〜2011年9月の間に57例が登録され、54例が解析対象となった。
主要評価項目である奏効率は66.7% (54例中36例、CR5例, PR31例) であり、病勢コントロール率は85.2%であった。PFS中央値は11.05ヵ月 (95% CI: 7.96-13.48、追跡期間中央値8.7ヵ月)、1年PFSは38.8%であり、OS中央値は29.66ヵ月 (95% CI: 26.01-NR、追跡期間中央値26.6ヵ月)、1年OSは81.5%であった。
有症状の有害事象において、皮膚障害は全gradeで91%であり、grade 3以上は35%の頻度で認められた。
ETSは、評価可能であった50例中40例 (80%) に認められた (図1)。
主要評価項目である奏効率は66.7% (54例中36例、CR5例, PR31例) であり、病勢コントロール率は85.2%であった。PFS中央値は11.05ヵ月 (95% CI: 7.96-13.48、追跡期間中央値8.7ヵ月)、1年PFSは38.8%であり、OS中央値は29.66ヵ月 (95% CI: 26.01-NR、追跡期間中央値26.6ヵ月)、1年OSは81.5%であった。
有症状の有害事象において、皮膚障害は全gradeで91%であり、grade 3以上は35%の頻度で認められた。
ETSは、評価可能であった50例中40例 (80%) に認められた (図1)。

また、ETSを認めた症例と認めなかった症例の比較では、PFS (HR=0.26, 95% CI: 0.13-0.61, p=0.0003) (図2)、OS (HR=0.34, 95% CI: 0.15-0.90, p=0.0143) (図3) いずれもETSを認めた症例で有意な改善が認められた。


KRAS 野生型の切除不能進行・再発大腸癌患者に対するmFOLFOX6 + Cetuximab療法では、ETSと予後との関連が認められ、ETSは治療マーカーとなり得ることが示された。