Abstract #616P |
Phase II Study of First-line Sunitinib in Combination with Irinotecan, Leucovorin, and 5-fluorouracil (FOLFIRI) in Japanese Patients with Unresectable/Metastatic Colorectal Cancer
A. Tsuji, et al.
Sunitinib併用療法に立ち塞がる高い壁 |
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今回の試験は日本におけるSunitinib + FOLFIRI併用療法のfeasibility試験といった位置づけの試験であり、これに先行する形でのGlobal studyはWCGIC (ESMO’s 12th World Congress on Gastrointestinal Cancer) にA6181122試験 (転移性結腸直腸癌患者を対象としたFOLFIRIとSunitinibまたはプラセボの併用投与第III相試験) として報告された。こちらの試験は中間解析より、Sunitinib + FOLFIRI併用療法がFOLFIRI 療法に対して統計学的に有意な改善を示す可能性は低いと判断され、中止となっていた。 |
Sunitinibは、血管新生を抑制するマルチターゲットチロシンキンナーゼ阻害剤 (TKI) の経口薬である。第II相試験において、Bevacizumabを除く化学療法歴のある切除不能/転移性大腸癌患者に対するSunitinib単剤投与の有効性が報告されている1)。そこで、Sunitinibと標準的な1st-lineレジメンの1つであるFOLFIRIとの併用療法の有用性を検討した。
本試験は、多施設共同オープンラベルシングルアーム第II相試験として実施した (NCT00668863)。対象は日本人の化学療法歴のない切除不能/転移性大腸癌患者とした。
・ | FOLFIRI (Irinotecan 180 mg/m2 + l-LV 200 mg/m2, iv投与 + bolus 5-FU 400 mg/m2 + infusional 5-FU | |
2,400 mg/m2, 46h, iv投与) を2週毎に実施 |
・ | Sunitinib 37.5 mg/日 p.o.を6週 (4週投与、2週休薬) 1サイクルとして実施 |
一次エンドポイントはprogression-free survival (PFS)、二次エンドポイントはoverall survival (OS) およびobjective response rate (ORR)、安全性とした。
2008年4月〜2009年5月までに71例が登録された (年齢中央値: 58.4歳、男性: 59.2%)。2009年6月、海外で実施されていた同レジメンの第III相試験 (A6181122試験: NCT00457691) が有効性が認められず中止された2)ことに伴い、本試験も早期終了となった。試験治療の中止が推奨されたが、Sunitinibによる臨床上のベネフィットが認められている患者については担当医の判断に委ねた。
Sunitinibの治療期間中央値は3サイクル、Sunitinibのrelative dose intensity (相対用量強度) 中央値は60%であった(表)。
データカットオフ時までに83.1%の患者がSunitinibの投与を中断していたが、16.9%は投与を継続していた。
一次エンドポイントであるPFS中央値は担当医評価で7.1ヵ月 (95%CI: 5.2 - 8.0)、中央判定では6.3ヵ月 (95%CI: 4.6 - 9.2) であった。OS中央値は未達であった。ORRは担当医評価で35.2% (95%CI: 24.2 - 47.5)、中央判定では33.8% (95%CI: 23.0 - 46.0) であった。
頻度の高い有害事象は、白血球減少 (97.2%)、好中球減少 (95.8%)、血小板減少 (84.5%)、悪心 (78.9%)、下痢 (76.1%)、食欲不振 (71.8%)、疲労 (64.8%)、脱毛 (62.0%)、嘔吐 (53.5%) であった。
Grade 3/4の有害事象は、白血球減少 (56.9%/9.9%)、好中球減少 (43.7%/49.3%)、血小板減少 (22.5%/7.0%)、リンパ球減少 (16.9%/1.4%)、発熱性好中球減少 (22.5%/0%) であった。
日本人の切除不能/転移性大腸癌患者に対するSunitinib + FOLFIRIの有効性 (ORRおよびPFS) は、FOLFIRI単独の過去のデータ3-4)とほぼ同等であった。Grade 3/4の血液毒性の発生頻度が高く、その結果、SunitinibおよびFOLFIRIの相対用量強度は当初の想定より低値にとどまった。この相対用量強度の低さと試験の早期終了がPFSの短縮を導いた可能性は除外できないが、本仮説を証明するにはさらなる解析が必要である。
Reference | ||
1) | Saltz LB, et al.: J Clin Oncol. 25(30): 4793-4799, 2007 [PubMed] | |
2) | Carriato A, et al.: Presented at the 12th World Congress on Gastrointestinal Cancer, Barcelona, Spain, June 30-July 3, 2010 (abst #0026) | |
3) | Fuse N, et al.: Int J Clin Oncol. 13(2): 144-149, 2008 [PubMed] | |
4) | Takahari D, et al.: Gan To Kagaku Ryouho 34(2): 207-211, 2007 [PubMed] |