レジメン講座 | 抗癌剤併用レジメンの投与法を解説します。

S-1+CDDP(SP)

*S-1の用量は体表面積(m2)により調整
<1.25=40mg×2; 1.25−<1.50=50mg×2; ≧1.50=60mg×2

Koizumi W, et al.: Lancet Oncol. 9(3): 215-221, 2008

5-FUのプロドラッグ製剤であるS-1を3週間内服の後2週間休薬するというスケジュールで投与し、それに加えて白金製剤であるCisplatin(CDDP)をday 8に投与するという治療法である。SPIRITS試験1)でS-1単剤に対する有効性が証明されており、その結果を受けて日本における切除不能・再発胃癌の1次治療のレジメンとして胃癌治療ガイドラインで推奨されている。

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■有効性

主要評価項目である生存期間(OS)の中央値はS-1+CDDP(SP)群で13.0ヵ月、S-1単剤群で11.0ヵ月であり(HR=0.77、95% CI: 0.61-0.98、p=0.04)、S-1単剤に対してSP群が有意に生存期間を延長した。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値もSP群で6.0ヵ月、S-1単剤群で4.0ヵ月(HR=0.57、95% CI: 0.44-0.73、p<0.0001)と、SP群で有意に良好であった。奏効割合もSP群54%、S-1単剤群31%とSP群で有意に良好であった(p=0.002)。

  SP
(n=148)
S-1
(n=150)
HR
(95% CI)
P値
OS 13.0ヵ月 11.0ヵ月 0.77
(0.61-0.98)
0.04
PFS 6.0ヵ月 4.0ヵ月 0.57
(0.44-0.73)
<0.0001
奏効割合 54% 31% - 0.002

■安全性

Grade 3以上の有害事象(SP/S-1)は、白血球減少(11%/2%)、好中球減少(40%/11%)、貧血(26%/4%)、血小板減少(5%/0%)、全身倦怠感(30%/6%)、嘔気(11%/1%)、低ナトリウム血症(3%/0%)などであり、SP群で高頻度であった。

レジメン解説執筆:国立がん研究センター中央病院 消化管内科 喜多 昭介 先生

Reference

  • 1) Koizumi W, et al.: Lancet Oncol. 9(3): 215-221, 2008[PubMed
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