FOLFOX4+BEVでは、レボホリナート、オキサリプラチン、5-FU、ベバシズマブを投与する。持続投与にはインフューザーポンプと静脈ポートを使うので、静脈ポートの植え込みを行う。また、自己抜針の患者教育が必須事項となる。治療は1回に約49〜50時間かかり、これを2週間毎に繰り返す。癌研有明病院では、導入は入院で行い、2回目以降は外来で治療を継続している。
 導入療法では、担当放射線科医が静脈ポート植え込み術を行い、看護師がポートとポンプの自己管理教育を行う。また、医師が治療全体の説明をし、薬剤師は副作用教育を行う(図)。自己抜針指導は、治療3日目に、患者が自宅で自己抜針できるようにすることを目的とする。練習用ポートを用いて練習を行う。
 外来治療センターでは、医師が副作用の評価と治療効果判定を行い、外来担当看護師は副作用問診、投与管理、ポート留置部の皮膚トラブルケアなどを行う。

 なお、FOLFOXで現れる有害事象としては、血液毒性(白血球減少、好中球減少、血小板減少など)、消化器毒性(食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、便秘など)、末梢神経障害、口内炎、手足症候群、疲労感、アレルギー反応などがある。
 白血球減少、好中球減少、血小板減少は頻発し、回復が遅れて治療延期になるケースが多い。定期的なモニタリングが欠かせない。また、消化器毒性は3日目以降に発症するので、患者や家族が自宅で対処しなければならないため、適切な対処法を教育しておくことが大切である。症状をきちんと把握することで、薬の減量や支持療法の強化などの対応策をとることができる。末梢神経障害が継続する場合には、休薬が必要になる。ボタンがかけにくい、しびれでつまずきそうになった、箸や鉛筆が持てない、などの症状がポイントとなる。
 ベバシズマブの有害事象としては、高血圧やたんぱく尿、粘膜出血、創傷治癒遅延などがあげられる。そのため、導入時は、ポート留置から2日以上空けて投与を開始する。

表 FOLFOX4+BEVの説明のポイント

図 導入例