静脈ポートの留置には、留置する部位によって、鎖骨下留置と上腕(前腕)留置という2つの方法がある。鎖骨下留置を行う場合、経皮的に鎖骨下静脈を穿刺し、ガイドワイヤーで誘導しながらカテーテルを挿入する。穿刺する方法には、触診とX線透視による方法、超音波画像で確認する方法、造影透視で確認する方法がある。
  留置した静脈ポートが起こす不具合としては、(1)ポートやカテーテル内の閉塞、(2)フィブリンシースの形成、(3)皮下でのカテーテルのねじれや折れ・逸脱、(4)カテーテルやポートの破損、(5)皮下注入(薬液の皮下漏れ)、(6)局所感染(ポート周囲感染)、(7)その他(ポートの反転、菌血症など)がある。これらの不具合が起きたときには、適切な対処法をとれるようにしておくことが大切だ。外来・病棟の診療部門をはじめ、採血室、画像検査部門など、院内各所で、静脈ポートのマネジメントに精通する必要がある。