対象はECOG PS 0/1で、PD-L1陽性の再発または転移を有する胃・胃食道接合部腺癌患者であり、Pembrolizumab (10mg/kg, 2週毎) を静脈内投与して8週毎にRECIST ver. 1.1による効果判定を行った
(図1)。PD-L1発現を評価した162例中65例 (40%) がPD-L1陽性であった。
図1
アジア人19例、非アジア人20例の計39例が登録された。アジア人では男性 (84.2%)、胃切除歴のある症例 (57.9%)、進行病変に対する前治療が2回以上の症例 (78.9%) が、非アジア人に比べて多かった。
治療関連有害事象は24例 (61.5%) に認められ
(表1)、grade 3-5は3例 (アジア人1例、非アジア人2例) であった
(表2)。なお、infusion reactionは認めず、治療関連有害事象による治療中止例はなかったが、治療関連死が1例 (低酸素症) みられた。
表1
表2
担当医判定による抗腫瘍効果は、CR例は認めなかったものの、PRが12例 (アジア人6例、非アジア人6例)、SDが5例 (4例、1例) で得られ、奏効率は30.8%、病勢コントロール率は43.6%であった
(表3)。また、腫瘍径のベースラインからの最大変化率におけるwaterfall plotは
図2のとおりであり、41%で標的病変の縮小を認めた。
表3
図2
奏効までの期間中央値は、アジア人8週、非アジア人12週であり、奏効期間はそれぞれ8〜16週 (中央値未到達)、9〜20週 (中央値未到達) であった
(図3)。なお、腫瘍サイズのベースラインからの経時的変化の検討では、奏効は長期にわたることが認められた
(図4)。
図3
図4
PD-L1陽性胃癌患者におけるPembrolizumabの安全性および忍容性プロファイルは許容されるものであり、アジア人、非アジア人ともに持続的な抗腫瘍効果が得られた。これらの知見はさらなる検討を支持するものであり、第II相試験の患者登録の準備が進められている。
1) Kefford R, et al.: 2014 Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology
®: abstr #3005
2) Cancer Genome Atlas Research Network.: Nature. 513(7517): 202-209, 2014 [
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3) Keir ME, et al.: Annu Rev Immunol. 26: 677-704, 2008 [
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4) Pardoll DM.: Nat Rev Cancer. 12(12): 252-264, 2012 [
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