MEBGEN
™ RASKET KITはLuminex法を応用した新規のマルチプレックス検査キットである。ホルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) 組織由来のDNA断片をビオチン標識したプライマーを用いてPCR反応によって増幅させ、蛍光ビーズでハイブリダイズさせる。その後、ビーズ・PCR増幅産物複合体を解析し、専用ソフトウェアにより判定する。50〜100ngのDNAを用いた単回反応でPRIME試験
1)で報告されている48の
RAS 変異すべてが測定可能であり、測定時間は96サンプルセットにつき4.5時間である。
主要評価項目は、レファレンス法 (ダイレクトシークエンス法およびTheraScreen
®KRAS 遺伝子変異検査キット) との
KRAS /
NRAS exon 2, 3, 4変異の一致率であり、副次評価項目は、
KRAS exon 2野生型患者におけるminor
RAS 変異 (
KRAS exon 3, 4および
NRAS exon 2, 3, 4変異) の一致率、
RAS 変異型患者における検査の正確性であった
(図1)。一致率の95%信頼区間下限を93%としたところ、必要サンプル数は278例であった。
図1
大腸癌患者309例のサンプルが登録され、307例のFFPEサンプルが解析可能であった。
RAS 変異はレファレンス法では140サンプル (46%)、MEBGEN
™ RASKET KITでは143サンプル (47%) で検出され、一致率は96.7% (95% CI: 94.1-98.4%) であった
(表1)。
表1
KRAS exon 2野生型191例におけるminor
RAS 変異は、ダイレクトシークエンス法、MEBGEN
™ RASKET KITともに29サンプル (15%) で検出され、一致率は98.4% (95% CI: 95.5-99.7%) であった
(表2)。
表2
また、ダイレクトシークエンス法とMEBGEN
™ RASKET KITで
KRAS /
NRAS 変異が検出された全例における各変異の遺伝子型の一致率は100% (95% CI: 97-100%) であり、不一致は存在しなかった
(表3)。
表3
なお、MEBGEN
™ RASKET KITにより、
KRAS exon 2変異は37.1%に認められ、
KRAS exon 2野生型の15%にminor
RAS 変異が認められた
(図2)。
図2
1) Douillard JY, et al.: N Engl J Med. 369(11): 1023-1034, 2013 [
PubMed]
2) Schwartzberg LS, et al.: J Clin Oncol. 32(21): 2240-2247, 2014 [
PubMed]
3) Fortunato C, et al.: 2014 Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology
® : abstr #3506 [
学会レポート]