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第2回 大腸癌化学療法の変遷(結腸癌に対する術後補助化学療法)

図1 主なレジメンと生存期間 -Single agent
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 術後補助化学療法は、R0切除が行われた症例に対して、再発を抑制し予後を改善する目的で、術後に実施される全身化学療法である1)。治癒切除手術が行われた癌に対する補助化学療法の評価は、再発が確認されるまでの無病生存期間 (disease-free survival: DFS) と全生存期間 (overall survival: OS)を指標として行われる。すなわち術後補助化学療法は、手術単独治療に毒性を加える治療であるため、安全かつ統計学的にも十分な生存期間の上乗せ効果が得られるものでなければならない。
 進行直腸癌の治療法は欧米と本邦では異なるため、今回の術後補助化学療法に関しては、結腸癌に対する術後補助化学療法のレジメンと変遷の概要を取り上げる(図1)

2011年1月17日掲載
2013年2月19日改訂

佐藤 武郎 先生

本稿では英語のcolon cancerを「結腸癌」としたが、解剖学的定義は必ずしも同一ではない。欧米の臨床試験におけるcolon cancerには、日本の分類による「直腸S状部癌(RS癌)」「上部直腸癌(Ra癌)」も含まれている。また、本邦で現在進行中の大腸癌術後補助化学療法の大規模臨床試験の多くは、「結腸癌およびRS癌」または「結腸癌およびRS癌、Ra癌」を対象としている。(参照:大腸癌研究会 ウェブサイト http://www.jsccr.jp)

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