研修中の5日間のスケジュールでは、多くのカンファレンスに参加する。
 癌研有明病院の化学療法科では、実にさまざまなカンファレンスが開かれている。化学療法カンファレンス、病棟カンファレンス、病棟外来連絡カンファレンス、消化器カンファレンス、血液カンファレンス、乳腺カンファレンス、頭頚部腫瘍カンファレンス……。ほかにも、臨時で開かれるカンファレンスがある。さらに、cancer boardという臓器ごとに外科医、放射線科医、内科医、化学療法科医らが参加するカンファレンスがあり、毎回活発な議論が行われている。
カンファレンスへの参加について、畠先生は次のように話している。
「この研修でいろいろなカンファレンスに参加してもらうのは、その重要性を認識してほしいからです。医師も看護師も薬剤師も、カンファレンスに出て、情報を共有することが、統一した治療を行うことにつながります」
 癌研有明病院では、毎日、昼食時にカンファレンスが開かれているが、これは看護師が参加しやすい時間帯だからだという。ところが、薬剤師はこの時間帯だと出席しにくく、夜のほうが出席しやすい。そこで、昼と夜に同じ内容のカンファレンスを行うこともある。こうして情報を共有することで、癌研有明病院のチーム医療が成り立っているのだ。

カンファレンスは、カルテや検査画像を
スクリーンに投影しながら行われる